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第032号

2008年10月06日発行

知っ得!労務マガジン 第32号

■■■ 知っ得!労務マガジン 第31号 ■■■       2008年10月6日

━■10月号のコンテンツ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■今月の人事労務TOPIC <協会けんぽ設立~10月より~>
■今月の人事労務Q&A <就業規則の周知>
■編集後記 <担当者からのメッセージ>

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━■ 今月の人事労務TOPIC ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━

平成20年10月より中小企業の従業員などが加入する政府管掌健康保険(以
下「政管健保」)は、国から独立した全国健康保険協会(以下「協会けんぽ」)
によって運営が引き継がれることになりました。
協会発足に伴い、これまで全国一律だった政管健保の保険料率は、設立後1年
以内に地域の医療費を反映して、都道府県ごとに設定されることになりました。
ただし、当面は現行の保険料率(労使折半で8.2%)が維持されます。
また、健康保険の手続きは従来通り社会保険事務所で行われますが、現在の被
保険者証は降順次切り替わることになっています。
このため、人事担当者の方にとっては、各社員からの被保険者証の回収と配布
という手間が生じることが予想されます。現時点で切り替えに関する詳細情報
は公表されていませんが、皆様におかれては、今後、管轄の社会保険事務所か
らの案内などを見逃さないように注視ください。

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◆本年10月、政管健保は「協会けんぽ」に変わります(社会保険庁)
<http://www.sia.go.jp/kenpo/index.htm>


━■ 今月の人事労務Q&A ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

働き方の多様化により、様々な立場の労働者が同時に働く機会が増えています。
また未払い残業やパワーハラスメント等の労働問題が顕在化している昨今、企
業防衛の面からも画一的な就業ルールを定める就業規則の重要性が増していま
す。これまでも、当メルマガ第15号で規定すべき内容について、第29号で
規定にもとづく処分の有効性について触れてきました。
そこで、今月から3回にわたって、就業規則に関する実務基礎ついて、改めて
ご案内いたします。初回は就業規則を設けるにあたっての労働基準法との関係、
特に就業規則の効力の発生についてご紹介します。

知っ得!労務マガジン 第15号『就業規則』
<https://www.romu.jp/magazine/mag-a20070615091445.html>
知っ得!労務マガジン 第29号『出勤不良の社員の解雇』
<https://www.romu.jp/magazine/mag-a20080701145338.html>

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以下は、A社で起きた解雇を巡るトラブルの当事者の主張です。

◆A社人事部長◆
社員Xは普段から無断欠勤が多く改善も見られません。そこで、当社の就業規
則の懲戒規定にもどづき解雇処分としました。ところがXはそんな規則は知ら
なかったと言って、解雇は無効だと主張しています。社員には就業規則を提示
していませんが、労働基準監督署に提出しているのだから、何も問題ないはず
ですよね。

◆社員X◆
そもそも会社にそのような規則があることは知りませんでした。他の社員にも
聞きましたが、誰も知らないようです。知らない規則を理由に解雇されるのは
納得できません。

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◆就業規則とは◆
そもそも就業規則とはどんなものなのでしょうか。就業規則はその企業に在籍
する従業員が、就業にあたり守るべきルールを規定しているものですが、これ
はあくまでその企業内部でのルールです。ちょうど学校の校則をイメージして
いただけるとよいかと思います。
就業規則は内部ルールであることから、その内容は企業側が自由に定めること
が認められています。しかしながら、内部ルールとはいえ完全な自由を認めて
しまうと従業員にとって不利なルールとなる危険性があります。そのため、労
働基準法では就業規則作成に関して以下のルールを設けています。

1.法令、労働協約に即していること
2.常時10人以上の労働者を雇用する者の作成義務
3.記載内容の義務
4.労働者代表の意見聴取義務
5.労働基準監督署への提出義務
6.労働者への周知義務
7.制裁規定の制限

労働基準法第89条以下参照
<http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/kijunhou/k-aramasi.htm#24>

この中で5について不備がある場合には、他のルールを満たしていても、その
就業規則の効力は認められません。

◆就業規則の効力◆
就業規則は労働者への周知手続きを行って、はじめて社内規則としての効力を
発揮します。意外に思われるかもしれませんが、意見聴取や労働基準監督署へ
の届出を怠っても、労働基準法違反には問われても、効力自体は認められます。
では周知とはどのように行えばいいのでしょうか。労働基準法の施行規則では
以下ように示されています。

①常時各作業場の見やすい場所に掲示し・備え付ける方法
②書面で交付する方法
③磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業
場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する方法

労働基準法施行規則第52条の2
<http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/kijunhou/k-aramasi.htm#26>

細かく規定されていますが、従業員が見たいときに、いつでも簡単に見られる
状態にしておく必要があるということです。

それでは問題となっている懲戒解雇は認められるでしょうか。周知義務を欠い
ている以上、解雇の根拠になる規則に効力がないことになります。そのため、
この懲戒解雇は認められないこととなります。

参考裁判例 :フジ興産事件 最二小判平15.10.10
<http://www.jil.go.jp/kobetsu/book/67.html>

これまでの裁判例を受けて、今年施行した労働契約法では、第7条において就
業規則が労働条件としての性格を持つこと、および労働条件の効力を持つには
就業規則の周知が必要であることを謳っています。

労働契約法(平成20年3月1日施行)
<http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoukeiyaku01/index.html>

どんなに素晴らしい就業規則を設けても、それが効力を有さなくては意味を成
しません。現在御社の就業規則が周知義務を満たしているか、是非確認を改め
てしてみていただければと思います。

◆ご相談、お問合せはこちらまで
tel:03-3224-8800
問い合わせフォーム: <https://www.actus.co.jp/form/contact.php>


━■ 編集後記 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

10月になり大分過ごし易い気候になりましたね。私は暑さが大の苦手なので
ホッとしています。         

今回ご案内しました就業規則の周知ですが、皆様の会社は大丈夫でしょうか。
会社の倉庫に就業規則が眠ったりしていませんか。就業規則の周知に不備があ
ると、思わぬトラブルになることもありますので充分にご注意ください。
次回は就業規則の不利益変更についてご紹介いたします。

                   人事労務コンサルタント 片山 力
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監修: アクタスマネジメントサービス株式会社/アクタス労務研究所

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