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第033号

2008年11月06日発行

知っ得!労務マガジン 第33号

■■■ 知っ得!労務マガジン 第33号 ■■■       2008年11月6日

━■11月号のコンテンツ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■今月の人事労務TOPIC <「名ばかり管理職」について>
■今月の人事労務Q&A <就業ルールの不利益変更について>
■編集後記 <担当者からのメッセージ>

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━■ 今月の人事労務TOPIC ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━

少し前の話になりますが、9月9日に、厚生労働省労働基準局長から都道府県
労働局長に対して、いわゆる「名ばかり管理職」に関する通達が発信されてい
ます。(詳細は、下記リンクをご参照ください)
この通達は、主として小売業・飲食業等チェーン店に関する管理監督者の範囲
をより具体的に明示したものですが、他の業種の管理監督者の適否のガイドラ
インとして参考になるものですので、是非ご確認いただきたいと思います。

また、今後、管理監督者に関して更なる通達の発出や、それに伴う当局の指導
方針の厳格化なども予想されます。「名ばかり管理職」問題への対応がお済み
でない場合は、早急に対策を進める必要があるのではないでしょうか。

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◆「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正
化について」
 <http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/09/h0909-2.html>



━■ 今月の人事労務Q&A ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

昨今、世界規模で会社を取り巻く環境が急速に変化しています。その速さから
就業規則が実態にそぐわなくなり、変更を検討している会社も多いのではない
でしょうか。厳しさを増す環境に適応するために労働条件の引き下げ(就業規
則の不利益変更)も考えていらっしゃるかもしれません。しかし、一度定めた
労働条件を引き下げることは法律により厳しく制限されていますので、そのよ
うな変更を行う際は細心の注意が必要です。
今回は就業規則の不利益変更について、2回に分けてご案内したいと思います。

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以下は、A社社長からの質問です。

◆A社社長◆
「売上げUPの為に、従業員にもっと頑張ってもらいたい。現在、うちの所定
労働時間は7時間だけど、労基法によれば8時間まで働かせていいみたいだか
ら就業規則を変更したいんだけど。」

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この質問、一見すると法律の規定には違反していない為、変更は有効に思えま
す。しかし、結論としてこの変更は「不利益変更」となり、認められません。

本来、就業規則は一定のルールを守れば会社が自由に定める事ができます。同
様にその内容の変更も原則、会社が自由に変更することができます。その一方
で、法律などをタテにあらゆる変更を認めてしまうと、労働者に対して一方的
に不利な労働条件が突きつけられる恐れがあります。そのため就業規則を変更
する場合、不利益変更については制限が設けられています。

■不利益変更とは
そもそも不利益変更とはどのようなものでしょうか。不利益変更とは『労働者
の労働条件(将来を含む)に不利益を被る可能性のある変更』をいいます。

■労働基準法による制限
労働基準法は第1条で同法を根拠にした労働条件の低下を禁じています。例え
ば、労働基準法では休日を原則として毎週少なくとも1回は与えることを定め
ていますが、この規定を根拠として、週休2日制を週休1日制に切り替えるこ
とはできません。
上記のA社長についても労働基準法を根拠に従業員にとり不利益な変更をしよ
うとしているので、その様な変更は認められないことになります。
      
■これまでの裁判による裁判所の見解
労働条件の不利益変更に関しては、裁判所の判断を仰ぐような、労使トラブル
に発展することが少なくありません。裁判所はこれまでに以下の見解を示して、
一方的な就業規則の不利益変更を否定しています。

『一方的に不利益な労働条件を課すことは、原則として許されない』
(秋北バス事件 最高裁S43.12.25)
<http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/06/s0610-5b1.html>

以下に就業規則変更の効力を否定した主な判例を紹介いたします。

◆御國ハイヤー事件(最高裁S58.7.15)
<http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/06/s0610-5b1.html#11>
◆朝日火災海上保険事件(最高裁H8.3.26)
<http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/06/s0610-5b1.html#11>
◆みちのく銀行事件(最高裁H12.9.7)
<http://www.jil.go.jp/kobetsu/book/69.html>
  
■労働契約法による新たな明示
これまでの裁判所の判断を踏まえ、この3月から施行された労働契約法では会
社による就業規則の一方的な不利益変更を禁止する規定を設けました。
      
9条 使用者(会社)は労働者と合意することなく、就業規則を労働者の不利
益となる労働条件に変更することはできない。

上記のとおり、就業規則を一方的に変更することで社員に労働条件の低下を強
制することは禁じられています。

では就業規則の不利益変更は一切許されないのでしょうか。決してそんな事は
ありません。もし一度定めた就業規則の条件を低下させることができないとし
たら、日々急激に変化する環境に対して、今度は会社そのものの存続危機とい
う問題が生じてきます。ルールを維持したが為に会社が無くなっては本末転倒
です。その為、一定の基準を満たす事で就業規則の不利益変更は可能となりま
す。

次回は不利益変更が認められる為の条件に関してご案内いたします。
                                 


━■ 編集後記 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

11月になり大分寒さが増してきました。
これから年末に向って忙しい時期が続くかと思います。体調を崩さないように
体調管理には気をつけください。         

今、世界中で金融危機、経済の停滞が叫ばれています。この目まぐるしく変化
する環境を乗り切る為に、就業規則の変更を考えていらっしゃる企業も多いの
ではないでしょうか。認められること、認められないこと、どのように変更す
れば会社にとって最適なのか、就業規則の変更でお悩みの方は是非御相談くだ
さい。

                   人事労務コンサルタント 片山 力
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監修: アクタスマネジメントサービス株式会社/アクタス労務研究所

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