法報タイムズ 人事労務の最新情報満載のメルマガを毎月無料でお届けします!

TOP >> 法報タイムズ

法報タイムズ

購読申し込みはこちら(購読無料)


第035号

2009年01月05日発行

知っ得!労務マガジン 第35号

■■■ 知っ得!労務マガジン 第35号 ■■■       2009年1月5日

━■1月号のコンテンツ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■今月の人事労務TOPIC <労働基準法改正法案が衆院で可決>
■今月の人事労務Q&A <事業場外労働のみなし労働時間制について>
■編集後記 <担当者からのメッセージ>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


━■ 今月の人事労務TOPIC ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━

平成20年11月18日に「労働基準法の一部を改正する法律案」が一部修正
の上、衆議院で可決されました。この法案は、平成19年3月13日に閣議決
定された案のうち、月80時間であったのが、「月60時間」に修正され、月
60時間を超える時間外労働について、割増賃金率を現行の25%から50%
に引き上げることとし、平成22年4月1日より施行することとされました。
事業主にとってはより厳しいものへと修正されたことになります。
残業代の支払いが増えるだけでなく、労使協定の締結により5日の範囲内で年
次有給休暇を「時間単位付与」することができるようになるなど、会社に対し
てこれまで以上の労務管理の厳格化を求める内容になっており、早期の対策が
必要になっているといえます。

「労働基準法の一部を改正する法律案」(修正前)
<http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/03/h0313-4.html>

「労働基準法の一部を改正する法律案」(一部修正後)
<http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/gian/17003166081.htm>


━■ 今月の人事労務Q&A ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

社員の雇用形態が多様化し、企業が在宅勤務を取り入れるケースが増加してい
ます。その数は2005年で450万人、労働者全体の8.2%に上ると言わ
れています。(詳細は下記リンクをご参照下さい)
このような、雇用形態の多様化に伴う在宅勤務者や営業社員など、常時、事業
場外で業務を行う従業員については、どのような労働時間管理を行えばいいの
でしょうか。今回は、事業場外労働のみなし労働時間制について、事例を踏ま
えながら見ていきたいと思います。

◆情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライ
ンの改訂について
<http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/03/h0305-1.html>

===================================

以下はある会社のA社長からの質問です。

◆A社長◆
「我が社では、これから在宅勤務を取り入れたいと思っていますが、在宅勤務
の場合、当然、自宅で仕事をするため労働者の労働時間が算定できない状態で
す。どのようにして残業代を支払っていいのか困っています。労働時間の管理
はどうしたらよいのでしょうか。」

===================================

在宅勤務については、自宅で勤務が行われ、労働者の勤務時間帯と日常生活時
間帯が混在せざるをえない働き方であり、労働時間が算定し難い働き方です。
そこで次の要件を満たす場合には、「事業場外労働のみなし労働時間制」の適
用ができることとなっています。

1.私生活を営む自宅で業務が行われること
2.使用者の指示により、情報通信機器が常時通信可能な状態におくこととさ
れていないこと
3.随時使用者の具体的な支持に基づいて業務が行われていないこと

■「事業場外労働のみなし労働時間制」とは

外回りの営業や出張、在宅勤務など事業場外で行う業務は、使用者の具体的な
指揮命令が及ばず、労働時間の算定が困難になる場合があります。その場合、
実際の労働時間にかかわらず「特定の労働時間」労働したものとみなすことが
できるようにしたのが、事業場外労働のみなし労働時間制になります。

例えば、「特定の労働時間」を所定労働時間の7時間と定めた場合に、実際に
労働した時間が9時間であったとしても、1日の労働時間は7時間とみなされ
ることになります。実労働時間に関わらず「特定の労働時間」労働したものと
みなされることから、事業主にとっては活用するメリットのある制度といえま
す。

■「特定の労働時間」とは

「特定の労働時間」の決定方法には、次の方法があります。

1.所定労働時間とする
2.事業場外の業務を遂行するために、通常所定労働時間を超えて労働するこ
とが必要である場合には、その業務遂行に必要とされる時間
3.上記2による決定において、従業員代表等との話し合いにより労使協定が
締結されたときは、その協定に定めた時間

■「事業場外労働のみなし労働時間制」の適用要件

在宅勤務者だけでなく、外回り営業に従事する場合や出張などで、次の全てを
満たしている場合に、事業場外労働のみなし労働時間制を適用することができ
ます。

1.対象従業員が業務の全部または一部を事業場外で従事している場合
2.使用者の指揮監督が及んでいない場合
3.事業場外労働のため労働時間の算定が困難な場合

ただし次の場合、上記3の「労働時間の算定が困難な場合」にはあたらないと
されていますのでご注意ください。

1.何人かのグループで事業場外労働に従事する場合で、そのメンバーの中に
労働時間を管理する者がいる場合
2.事業場外で業務に従事するが、携帯電話やポケットベル等によって随時使
用者の指示を受けながら労働している場合
3.事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の具体的指示を受けた後、事業
場外で指示通り業務に従事し、その後事業場に戻る場合


■「事業場外労働のみなし労働時間制」の適用をめぐる状況と注意点

事業場外労働のみなし労働時間制の採用状況ですが、9.3%(厚生労働省統
計調査結果)の企業が採用しています。大概、どの企業にも営業職がある中で、
この数字は少ないように思えます。使用者の指揮監督が及ばないという観点か
ら、一概に営業社員全員を適用できないのかもしれません。過去の判例でも、
事業場外労働に関するみなし労働時間制の対象者に該当するか否かで企業側が
裁判に負け、残業代を遡って支払ったケースもあります。

また、「みなし労働」といえども、労働基準法における休憩や深夜業、休日に
関する規定の適用を受けるので、休憩時間の確保や深夜勤務、法定休日勤務へ
の割増賃金の支払いが必要になります。

不況の世の中、企業にとって人件費の削減は大きな課題ではありますが、法令
を遵守した人事制度の構築が将来の企業リスク防衛に繋がります。制度の導入
の際には、どうぞ慎重にご検討下さい。


◆東京労働局パンフレット 事業場外労働に関するみなし労働時間制の適正な
運用のために 
<http://www.roudoukyoku.go.jp/roudou/jikan/index.html>

                           
◆ご相談、お問合せはこちらまで
tel:03-3224-8800
問い合わせフォーム: <https://www.actus.co.jp/form/contact.php>

━■ 編集後記 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

明けましておめでとうございます。
新しい1年が始まりましたが、新年の抱負はすでにお決まりですか?
1年の始まりであるこの時期は、今年1年の目標だけでなく、5年後、10年
後の自分はどうなっていたいか、といった人生の目標を考えるのにもいい機会
になりますよね。

今回の、「事業場外労働のみなし労働時間制」を含め、人件費コストを踏まえ
労働時間管理制度を考え直したい、法令に準拠した制度となっているか確認し
たい、そんな時は、専門家である私達にぜひご相談下さい。

                  人事労務コンサルタント 増田 祐佳
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
監修: アクタスマネジメントサービス株式会社/アクタス労務研究所

【運営WEBサイト】
アクタスWEBサイト 
<http://www.actus.co.jp/>
人事労務情報WEBサイト
<http://www.romu.jp/>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
知っ得!労務マガジン 第35号

このメールマガジンは、アクタスマネジメントサービスのお客様、人事労務
ポータルサイト『ROMU.JP』で購読をご登録いただいた方々に、月1回、
役に立つビジネス情報源としてお送りさせていただいております。

メールマガジン登録・解除 <http://www.romu.jp/magazine/index.shtml>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
バックナンバーTOPへ
ページの先頭へ