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第038号

2009年04月01日発行

知っ得!労務マガジン 第38号

■■■ 知っ得!労務マガジン 第38号 ■■■       2009年4月1日

━■4月号のコンテンツ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■今月の人事労務TOPIC <中小企業に限定した「助成金」が新設>
■今月の人事労務Q&A <「整理解雇」について>
■編集後記 <担当者からのメッセージ>

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━■ 今月の人事労務TOPIC ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆中小企業に限定した助成金「中小企業緊急雇用安定助成金」が新設
世界的な金融危機や景気変動などの経済上の理由による企業収益の悪化により、
雇用する労働者を「一時的に休業」等させた場合、企業側は休業させたことに
よる休業手当等の支払いが必要になりますが、それら休業等に係る手当や賃金
の一部を助成する制度ができました。これは、事業活動の縮小に伴い解雇など
企業側からの労働契約の解除が相次ぐ中で、従業員の雇用維持に努力する中小
企業事業主を支援することを目的として創設されました。

◆支給要件は?
「中小企業緊急雇用安定助成金」の支給要件の概要は以下の通りです。
1.中小企業事業主が、その雇用する労働者を一時的に休業、教育訓練又は出
  向させること
2.企業業績が悪化していること。具体的には売上高又は生産量の最近3か月
  間の月平均値がその直前3か月又は前年同期に比べ減少していて、なおか
  つ前期決算等の経常損益が赤字であること
3.雇用保険の適用事業の中小企業事業主であること

◆支給額は?
「中小企業緊急雇用安定助成金」の支給額の概要は、休業及び教育訓練の場合、
休業実施中に事業主が支払った休業手当や賃金に、厚生労働大臣の定める方法
による算定を行った上で、その金額の5分の4が支給額となります。ただし、
1人1日あたり雇用保険基本手当日額の最高額(7730円)が限度となりま
す。

<http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/pdf/koyouiji.pdf#
search='中小企業緊急雇用安定助成金'>

◆助成金は支給緩和、拡充の方向へ
3月30日付け厚生労働省の発表によると、「中小企業緊急雇用安定助成金」
等の助成額の上乗せが新たに発表され、併せて「残業削減雇用維持奨励金」が
創設されることとなりました。詳細は以下の通りです。

「残業削減雇用維持奨励金の創設等について」
<http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0330-4.html>

「中小企業緊急雇用安定助成金における時間外労働等と
休業等の相殺の廃止について」
<http://www2.aichi-rodo.go.jp/download/kotyoukin/sousatu-haisi.html>

なお、実際の申請にあたっては、支給要件の詳細を確認の上行っていただく必
要があることをご留意ください。


━■ 今月の人事労務Q&A ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

景気の先行きが不透明な中、企業が事業所の閉鎖、製品等の減産を進める中で、
やむを得ず人員削減の必要が発生することもあります。
今月は、不況などによる企業業績の悪化や事業の撤退に伴って行われた、いわ
ゆる「整理解雇」に関する基本的な考え方を整理したいと思います。そのうえ
で、企業における人事担当者が、実際に整理解雇のような人員削減を行わなけ
ればならない場合に、どのような点に留意しなければならないかご紹介します。

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以下はある会社のA社長からの質問です。

◆A社長◆
「急速な景気悪化により当社も業績不振に陥り、人員削減をしなければならな
い状況です。整理解雇は、企業経営が悪化したと企業が判断すれば実施できる
のでしょうか。」

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◆回答◆
原則は企業の自由ですが、「整理解雇の4要件」という特別の実施要件が必要
であるとする裁判例があります。

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■解雇とは

解雇とは、使用者による一方的な意思表示によって労働契約を消滅させること
をいいます。労働契約に期間の定めがないときは、使用者はいつでも労働者を
解雇できるのが民法の原則ですが、終身雇用が一般的であった日本の労使関係
下においては、解雇権の行使を制限すべきとの議論がなされ、旧労基法18条
の2、および労働契約法16条において「解雇に処することが著しく不合理で
あり、社会通念上相当ものとして是認することができないときには、当該解雇
の意思表示は、解雇権の濫用として無効になるものというべきである」として、
解雇権濫用法理が確立されています。

■整理解雇とは

整理解雇とは、不況や業務量の減少等で会社の経営が悪化したため、労働者の
一部または全部の雇用が維持し難い経営状況に陥った場合に行う人員整理を目
的とした普通解雇のことをいいます。
したがって、整理解雇それ自体は企業経営が悪化すれば企業の判断のみで実施
することも自由ですが、労働者側に解雇される責任がなく、使用者側の事情に
よって一方的に労働契約を解約するものであるため、一般の解雇以上に厳格な
制約が課されています。それが次の「整理解雇の4要件」といわれるものです。

■整理解雇の4要件とは

1.人員削減の必要性
2.解雇回避の努力
3.被解雇者選定の合理性
4.手続きの妥当性

使用者は上記の4要件に沿った整理解雇をすることが必要であり、これを怠る
と解雇権の濫用としてその整理解雇は無効になるため、注意が必要です。
しかし、4要件の解釈をめぐっては見解が分かれており、4要件のすべてを満
たすべきとする見解と、4要件は解雇権濫用の「判断要素」であり、総合考慮
して判断すべきとする立場がありますが、実務的には4要件すべての充足を念
頭におくべきでしょう。

◆参考裁判例(4要件を充足しなければならないとする近年の裁判例)
:代々木運送事件(昭和61年12月5日大阪地決)
:池貝鉄工所事件(昭和62年10月15日横浜地判)

■4要件の詳細について

1.人員削減の必要性について
人員の削減をする経営上の必要性があることをいいます。整理解雇をしなけれ
ば会社の存続が危ないとまでの必要性は要求されません。また再就職の便宜等
の配慮や十分な状況説明等があれば、採算性向上の目的でも可能です。

2.解雇回避の努力について
整理解雇する前に希望退職等、整理解雇を回避する手段を尽くしていることを
いいます。一般的には、賃金カットやパートの雇止め、時短、希望退職募集等
の措置があります。しかし、「これをしていなければ整理解雇が無効となる」
というような一律の基準はなく、判断はケース・バイ・ケースのようです。

3.被解雇者選定の合理性について
被解雇者の合理的な解雇基準の設定があり、それが適正に運用されていること
をいいます。選定者の主観が入り込む基準は合理的とされません。ちなみに次
のような内容の整理解雇の人選基準については、裁判例でその合理性が認めら
れています。
・会社の業務に協力せざる者  ・職務怠慢な者
・事故欠勤多き者       ・病気による長期欠勤者 等

4.手続きの妥当性とは
労働者側と誠実に協議をしていることをいいます。裁判例では、労働者側より
「同意」が得られない場合であっても、会社が誠意を尽くして労働者との協議
を重ねたうえでの客観的に合理性のある整理解雇であるならば、労働者側の同
意がなくても整理解雇の実施を認めているケースもあります。

最近の裁判例の傾向では、必ずしも「会社の経営状態の著しい悪化」があるか
らといって直ちに「人員削減の必要性あり」と認定されているわけではありま
せん。まず企業が行うべきことは、具体的な経営状況に照らし、負債の状況や
返済可能性の有無を前提に、具体的に、厳密に、必要な人員削減数を吟味する
ことが必要であるように思います。

                           
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問い合わせフォーム: <https://www.actus.co.jp/form/contact.php>


━■ 編集後記 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

まだまだ花冷えの日が続いていますが、先日ホッカイロを片手にお花見に行っ
てきました。桜の下で食べるごはん(とお酒)は本当においしいですね。
桜・・・といえば、人事労務担当の方にとってはそろそろ労働保険の年度更新
の時期となりました。今年は申告・納付期限が5月20日から7月10日へ、
また労災保険料率、雇用保険料率も平成21年度より変更となっております。
変更点が目白押しですので、今後のアクタスからのご案内にご注目ください。

                   社会保険労務士  坂本 旭子
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監修: アクタスマネジメントサービス株式会社/アクタス労務研究所

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