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第040号

2009年06月01日発行

知っ得!労務マガジン 第40号

■■■ 知っ得!労務マガジン 第40号 ■■■       2009年6月1日

━■6月号のコンテンツ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■6月29日セミナー開催のお知らせ 
 <景気後退/業績悪化を乗り切るための「雇用調整の実務と手続き」>
■今月の人事労務TOPIC <「新型インフルエンザ対策」について>  
■今月の人事労務Q&A <「賃金カット」について>
■編集後記 <担当者からのメッセージ>

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━■ セミナー開催のご案内 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

6月29日開催 アクタス主催セミナー のご案内
景気後退/業績悪化を乗り切るための「雇用調整の実務と手続き」セミナー

世界的な金融危機の余波を受けて、やむを得ず人員削減や賃下げを行う企業は
依然として少なくありません。しかし、安易な雇用調整は従業員から解雇等の
無効を主張されたり、賠償請求されるリスクがあります。
本セミナーでは、一時休業や退職勧奨など雇用調整の各種メニューにおける法
的制約、実行手順、助成金活用など「実務上の留意点」を解説いたします。
また、事例研究を用いて現場レベルでの従業員との折衝方法についても検討し
ていきます。奮ってご参加ください。

日  時:2009年6月29日(月)16:00~18:00(受付15:30~)
場  所:アクタスセミナールーム
     (東京都港区赤坂3-2-6 赤坂中央ビル7F)
講  師:社会保険労務士 宮川 淳
内  容:1.雇用調整の基本的な考え方
     2.ワークシェアリング型
       (1)残業抑制・削減
       (2)配置転換/出向
       (3)一時休業(一時帰休)
       (4)所定労働時間短縮/休日増加
       (5)賃金カット
     3.余剰人員削減型
       (1)「派遣切り」(派遣契約の解約)
       (2)「雇止め」(有期雇用の更新停止)
       (3)希望退職の募集
       (4)退職勧奨
       (5)整理解雇
     4.事例研究(賃金カット/退職勧奨/整理解雇)
申込方法:詳細の確認・お申し込みは以下のURLにてお願いいたします。
     <http://www.actus.co.jp/news/seminar/>

━■ 今月の人事労務TOPIC ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新型インフルエンザの感染が拡大しています。今のところ感染者は学生や幼児
など若年層に多いため、企業の事業運営に支障が出ているという話はあまり聞
きません。しかし、もし自社の社員が感染してしまったら以下のリスクや問題
点が想定されます。

◆新型インフルエンザのリスク
・社員が出社できない    ⇒日常業務が滞る
・学校が休校になる     ⇒パート社員が出社できない
・取引先担当が出社できない ⇒取引が滞る
・役員や管理者が出社できない⇒指揮命令系統が混乱する
・営業員が出社できない   ⇒重要取引が頓挫する
・感染地域に出張した社員を休ませたい ⇒休業補償が発生する
注)これらは想定されるリスクのほんの一部です。

◆すぐにできる対策
簡単ですぐに始められるインフルエンザ対策を以下にあげます。上記リスク
から会社を護るためにすぐにでも社内で周知徹底しましょう。

1.手洗い・消毒の奨励
手洗い・消毒は予防策としてもっとも有効です。マスクでの予防より手の殺菌
の方が予防効果が高いと言われています。特にアルコール消毒はウイルスを死
滅させるため効果が高いです。職場に石鹸やアルコール消毒液を設置し、出社
時や外から帰社した社員の手洗い・消毒を徹底しましょう。

2.咳エチケットの徹底
マスクは本来、調子の悪い人がウイルスを飛散させないために着用するもので
す。咳が出る社員にはマスクの着用を義務付けましょう。

3.健康管理
体が弱っていると罹患しやすいです。日頃から十分な睡眠と栄養をとるように
社員に周知しましょう。

4.人ごみを避ける
社員が人ごみに行くようなことをできる限り回避しましょう。感染者がいる地
域に出張させる場合は、最低人数で出張させるなどの配慮をしましょう。

5.緊急連絡網の整備
社員がウイルスに感染してしまったときに備え、社員の緊急連絡先やその社員
が関係している取引先との連絡体制をあらかじめ整理しておきましょう。


━■ 今月の人事労務Q&A ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

世界的な不況のあおりで、労働者にとっては厳しい雇用環境となっていますが、
経営者にとっても経営難に頭を抱えている方が多いというのが現実だと思いま
す。
経営難を乗り切るため、経費削減や残業抑制、採用抑制などの雇用調整を実施
し、会社再建に努力を重ねてはいるものの、最終手段としての苦渋の選択を余
儀なくされるケースもでてきています。そこで今月は、労使にとってシビアな
問題である「賃金カット」についてご紹介します。

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以下はある会社の社長からの質問です。

◆社長A◆
売上不振のため業績が低迷し、人件費コストの削減に踏み切らなければいけな
い状況になってきました。そこで、一般社員の賃金カットに先行して、まず役
員報酬を一律20%削減し、その後一般社員について、役職に応じて月例給与
の5~10%の削減を実施しようと考えています。このようなやり方で賃金カ
ットを実施しても差し支えないですか。

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◆回答◆
賃金カットは労働条件の不利益変更にあたり、労働条件の不利益変更には、各
社員の同意が必要となります。お尋ねの内容では、賃金カットの具体的な金額
は検討されているものの、会社側が一方的に実施に踏み切るとも捉えられます。
したがって賃金カットを行う前に、賃金カットに至る経緯や現在の経営状況、
経営改善策を踏まえ、その必要性を社員の方に十分に説明し、納得してもらう
必要があります。

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■労働契約の変更

使用者と労働者の間には労働契約が存在します。この労働契約は使用者、労働
者双方の合意により成り立っていますので、変更する場合もその当事者、つま
り、使用者と労働者の合意がなければできないのが原則です。
また、賃金は労働契約の中でも最も重要な労働条件ですので、使用者が一方的
に労働者に不利になるように変更することはできません。
したがって、契約内容を変更し賃金カットを行うためには各社員の同意を得る
必要があります。
その一方で、最高裁は、不利益変更であっても、その変更が「合理的なもの」
であれば、個別の同意を得る必要はないとしています。つまり、合理的な賃金
カットと判断されれば、同意しない社員についても、同意する社員と同様に適
用させることができます。

■社員の同意を必要としない「合理的な賃金カット」とは

今回の賃金カットが「合理的」であるためには、賃金を引き下げざるを得ない経
営上の必要性があり、使用者に社員が被る不利益を極力小さくするための努力が
見られ、減額の幅や方法等も妥当な範囲内であると認められるようなものであれ
ば、「合理的」であると考えられます。

最高裁における「合理的」な不利益変更の判断については、メルマガ39号のQ
&Aを参照して下さい。

「メルマガ39号」
https://www.romu.jp/magazine/mag-a20090508115230.html

■「合理的な賃金カット」の問題点と実務上の留意点

前述のとおり、法的には社員の同意がなくても、賃金を引き下げることは可能と
なりますが、社員から不満がでることは避けられません。また、賃金カットが、
個々の社員の同意を必要としないような「合理的」なものであるかどうかの判断
は、最終的には裁判に委ねられることになります。そしてその合理性の判断は、
かなり厳格に(会社側に厳しく)解釈されています。
したがって、「こんな経営状態だし、これだけ配慮しているのだから大丈夫だろ
う」と安易に賃金カットを実施することは危険です。以下のような事項に留意し、
各社員の同意を得られるような努力が必要です。

1.賃金引き下げの限度
明確な基準が設けられているわけではありませんが、引き下げ後の実額水準のみ
ならず、減少率についても考慮する必要があります。
過去の判例で、引き下げ後も賃金水準が世間相場より高額であったにもかかわら
ず、減額の幅が大きいことから無効とされた例があります。

2.社員に対する説明
なぜ賃金カットを行わなければならなくなったのか、その経緯や具体的な経営状
況を十分に説明します。不十分な説明の場合、社員の納得を得られないばかりか、
会社がおかれている状況を実際以上に深刻に受け止めたりして、社員のモラール
低下につながる可能性があります。
また、比較的短期間に改善の見通しが立つのであれば、賃金引き下げの期間を限
定し、期間経過後にはもとの水準に戻すなどの対応が望まれます。
賃金カットに至るまでの経緯に加えて、今後の経営計画を説明し、少しでも社員
の会社に対する不安や不満を小さくするための努力が必要でしょう。

記事に関する不明点、ご質問またその他労務関係でお困りのことがありましたら、
お気軽にご相談下さい。
                           
◆お問合せ先はこちら

tel:03-3224-8800

問い合わせフォーム: <https://www.actus.co.jp/form/contact.php>


━■ 編集後記 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

世間は新型インフルエンザの話題で持ちきりですが、感染予防対策は行ってい
ますか。各個人の対応も必要ですが、会社としての予防対策も重要です。
社員へマスクの着用や手洗い・うがいの慣行を呼びかけたり、職場の清掃、消
毒を行うなどの対応をしていただければと思います。

新型インフルエンザや雇用状況の悪化等あまり明るいニュースがない昨今です
が、活気ある社会経済の訪れを願いながら、会社と社員の力を結集し直面して
いる困難に立ち向かっていきましょう。

                  人事労務コンサルタント 原 聡美

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監修: アクタスマネジメントサービス株式会社/アクタス労務研究所

【運営WEBサイト】
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人事労務情報WEBサイト
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