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第042号

2009年08月04日発行

知っ得!労務マガジン 第42号

■■■ 知っ得!労務マガジン 第42号 ■■■       2009年8月4日

━■8月号のコンテンツ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■今月の人事労務TOPIC 
 <育児・介護休業法及び雇用保険法の一部改正について> 
■今月の人事労務Q&A <「年俸制の導入」について>
■編集後記 <担当者からのメッセージ>

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━■ 今月の人事労務TOPIC ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━

少子化対策の観点から、仕事と子育ての両立支援等を一層進めることを目的と
して、平成21年7月1日「育児・介護休業法及び雇用保険法の一部を改正す
る法律」が公布されています。改正の概要は以下の通りです。

1.子育て期間中の働き方の見直し
(1)3歳までの子を養育する労働者について、短時間勤務制度を設けること
      を事業主の義務とする
(2)3歳までの子を養育する労働者について、労働者から請求があったとき、
   所定外労働を免除することを事業主の義務とする
(3)この看護休暇制度を拡充する(小学校就学前の子が、1人であれば年5
   日(現行どおり)、2人以上であれば年10日(新設))

上記、(1)及び(2)に関して、現行では1歳から3歳に達するまでの子を
養育する労働者に、勤務時間の「短縮等」の措置を講じなければならないとさ
れており、具体的には次のいずれかの措置のうちいずれかを講ればよいことと
されています。
・ 短時間勤務制度
・ フレックスタイム制
・ 始業・終業時刻の繰り上げ、繰り下げる制度
・ 所定労働時間を超えて労働をさせない制度
・ 託児施設の設置運営その他これに準じる便宜の供与
上記(1)及び(2)については、これまで「短縮等の措置」の一つに挙げら
れていたに過ぎなかったのですが、今後は、「短縮等の措置」とは切り離され
て、各々独自に義務化されることとなりました。

2.父親も子育てができる働き方の実現
(1)配偶者が専業主婦(夫)であれば育児休業の取得不可とすることができ
   る現行制度を廃止する
(2)父母が共に育児休業を取得する場合、1歳2ヶ月(現行1歳)までの間
   に、1年間育児休業を取得可能とする(パパ・ママ育休プラス)
(3)父親が出産後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度、育児休業を
   取得可能とする

3.仕事と介護の両立支援
(1)介護のための短期の休暇制度を創設する(要介護状態の対象家族が1人
   であれば年5日、2人以上であれば年10日)

以上、「施行日」は公布の日(7月1日)から1年以内の日とされ、具体的に
は決まっていません。
さらに、上記、1の(1)及び(2)、3の(1)については、常時100人
以下の労働者を雇用する事業主に限り上記「1年以内」が「3年以内」に延長
されており、中小企業については部分的に経過措置が設けられることとなって
います。


━■ 今月の人事労務Q&A ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

なお続く厳しい経済環境の中、多くの企業にとって人件費の適正化は重要な経
営課題になっています。一方で安易な人件費削減は、ともすれば企業にとって
キーパーソンの社外流出という危険性をはらんでいます。
この問題を解決するべく、これまでの年功序列式の賃金体系から成果主義型の
賃金体系への転換を検討している企業も多いかと思います。
今月は成果主義型賃金の典型ともいえる年俸制について御案内したいと思いま
す。

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以下はある会社の人事責任者からの質問です。

◆人事部長A◆
最近の景気低迷で会社の業績が芳しくなく、社員も覇気がありません。これま
での年功序列式の賃金体系の変更を考えています。全社員に年俸制を導入すれ
ば人件費も固定化でき、がんばった社員に報いることができると思うのですが、
導入にあたっての注意点を教えてください。

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◆回答◆
年俸制を導入するにあたり注意するポイントは大きく以下3点となります。

1.年俸制の対象社員の範囲、年俸の体系、役割ごとの年俸額の決定、業績の
  評価方法等運用のルールをしっかりと設けること。
2.業績評価にあたっては公平な評価を実施すること。
3.年俸制を採用しても労働基準法の適用が免除されないこと。  

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■年俸制とは
年俸制とは賃金額を年単位の契約で決定する制度です。賃金決定にあたり社員
の業績目標に対する達成度を反映させたい場合に適した賃金制度です。ただし、
労働基準法の毎月1回以上支払いの原則から、実際の運用では締結した年俸額
を12ヶ月で分割して毎月支給するか、年俸に賞与相当分を含む場合は12ヶ
月+賞与対象月数で分割した額を毎月支給することになります。

■年俸制導入のプロセス
年俸制導入、運用のプロセスは大きくは以下の手順となります。

1.年俸制の対象社員の範囲、年俸の体系、役割ごとの年俸額の決定等、年俸
  ルールを確定し、併せて、適正な評価基準を確定する。
2.経営計画の策定と目標管理制度の導入
3.就業規則の変更や年俸の支払方法等の労働基準法上の必要手続の完了
4.年俸制対象社員による業務目標の設定、社員との面談による年俸額の決定
5.年俸期間後の業績評価の実施、新年俸の決定

■年俸制と割増賃金
年俸制の適用者であっても、その労働者が管理監督者や裁量労働制の適用者で
時間外割増賃金(深夜割増賃金を除く)の適用除外者でない限りは、法定労働
時間を超えて労働させた場合には時間外割増賃金の支払が必要となります。
この割増賃金の算定に際して、仮に年俸額を16分割して毎月16分の1を毎
月支給し、残りの16分の4を年2回の賞与として支給すると定めている場合
には、その賞与対象分も割増賃金額の決定の際の算定対象とする必要がありま
すので注意が必要です。

なお、以下の条件を満たしている場合には、年俸額に一定時間分の割増賃金が
含まれているものとして定めることができ、割増賃金相当分として定めた時間
を超えない限り、毎月の年俸額に割増賃金を上乗せして支払う必要はありませ
ん。

1.年俸額に具体的な時間分に対応する時間外労働割増賃金が含まれているこ
  とが明らかであること
2.通常の労働時間に対応する賃金部分と割増賃金相当分が区分することがで
  きること
3.その割増賃金相当分が法定の割増賃金額以上であること

この場合でも、割増賃金相当分が法定の額を下回っていると判断された場合や、
割増賃金相当分として定めた時間を超えた時間外労働に対しては、別途、割増
賃金を支給する必要があります。

■年俸制の年度途中の変更は認められるか
一度定めた年俸額を年度の途中で変更することは原則としてできません。
しかしながら就業規則、労働契約の内容にて予め年俸額を変更する可能性があ
ることを定めており、その内容が合理的に認められるものであれば変更も有効
となる余地があります。(例:職位の変更による年俸改定、等)
また、このような取り決めがない場合にも、個々対象の労働者から同意を得る
ことで年俸額の変更をすることは可能となります。

年俸制は会社にとって魔法の薬ではありませんが、社員から企業に対しての貢
献を公平に評価し賃金に反映することが可能となる制度です。適切な運用を行
えば社員のモチベーションアップにつながり、生産性の向上ひいては企業の業
績向上につながります。現在、年功序列型賃金の変更を検討されていらっしゃ
いましたら、年俸制を一度検討してみるのは如何でしょうか。

記事に関する不明点、ご質問またその他労務関係でお困りのことがありました
ら、お気軽にご相談下さい。
                           
◆お問合せ先はこちら

tel:03-3224-8800

問い合わせフォーム: https://www.actus.co.jp/form/contact.php


━■ 編集後記 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

8月になり暑い日が続いています。夏バテになっている方もいらっしゃるかも
しれません。充実した仕事も楽しい夏休みも健康であってこそです。充分な水
分と休息をとって暑い夏を乗り越えてください。
さて今回御案内させて頂いた年俸制以外にも業績評価を賃金に反映させる成果
主義型の賃金制度は他にもあります。成果主義型賃金の導入にあたり一番大切
なことは、その制度が真の意味で会社にマッチングするかです。成果主義型賃
金制度の導入を検討しているが、何から進めればいいのか頭を悩ませておりま
したら、お気軽に私達に御相談ください。

                  人事労務コンサルタント 片山 力

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監修: アクタスマネジメントサービス株式会社/アクタス労務研究所

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