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第046号

2009年12月01日発行

知っ得!労務マガジン 第46号

■■■ 知っ得!労務マガジン 第46号 ■■■       2009年12月1日

━■12月号のコンテンツ ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<今月の人事労務TOPIC>
 監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成20年度は約196億円)

<今月の人事労務Q&A>
 産業保健体制(応用編)

<編集後記>
 担当者からのメッセージ

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━■ 今月の人事労務TOPIC ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━

厚生労働省において、平成20年4月から平成21年3月までの1年間のうち、
全国の労働基準監督署が割増賃金の支払いに対し労働基準法違反として是正指
導し、1企業あたり100万円以上の高額な割増賃金が支払われた事案が取り
まとめられました。
是正を受けた企業数は1553企業で前年度比175企業の減少、是正金額は
196億1351万円で前年度比約76億円の減少となっています。
前年度の平成19年度は、約272億円という調査開始以来、過去最高の是正
金額となっただけに本年度の動向が注目されていましたが、両者とも前年比減
となりました。
しかしながら1企業の最高支払額が約15億円であるなど、不払残業の支払命
令により、利益への圧迫はもちろん企業存続そのものを揺るがしかねないよう
な事案もあり、コンプライアンスの重要性は不変でしょう。
来年4月には改正労働基準法が施行され、労働時間管理と残業代の支払いをよ
り厳格に行うことが求められるようになります。そのような状況下で、労働時
間管理の徹底と残業代が支払える環境づくりは、企業が継続的に利益を出し続
ける必須条件といえます。
コンプライアンスに根ざした積極的な業務改善を行っていきましょう。

━■ 今月の人事労務Q&A ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

メンタルヘルス絡みの労災認定件数が、過去5年で倍以上に増加しています。

前号では産業保健体制の法定部分について解説いたしましたが、今回は法律的
な強制力はないという意味で「任意」とされているメンタルヘルス対策につい
て説明いたします。「任意」とはいうものの、過重労働によるうつ病の労災認
定件数が毎年増加している現状を踏まえれば、企業として何らかの施策を実施
することは必要不可欠であるといえます。

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以下はある会社の人事担当者からの質問です。

◆人事担当者A◆

長時間労働などが原因でうつ病を発症したとして労災認定されたり、会社に損
害賠償を求める訴訟も多発していると聞きます。当社でも長時間労働をさせて
いる労働者がけっこういるので心配です。メンタルヘルス対策を進めるべきと
いう話はよく聞きますが、会社として具体的に何をすればよいでしょうか。
 
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◆回答◆

会社のメンタルヘルス対策を強化するためには、前号でご説明した法定部分以
外にも次のような対策をとることが必要です。

1.精神科顧問医の選任
精神科医との顧問契約は特に法律で義務付けられていませんが、企業の産業医
は、社員の健康管理や緊急時対応など、内科・外科的な分野を求められること
が多いです。したがって、産業医は内科または外科の経験者を選任し、その他
に精神科医を顧問医として契約することが望ましいでしょう。

2.メンタルヘルス研修の実施
メンタル不調者の発生を防ぐためには、研修を実施することで社員のメンタル
ヘルスに関する理解を深める必要があります。
研修では、メンタルヘルスの基礎知識はもちろん、自分でも気づかないうちに
蓄積しているストレスのケア方法を学習するだけでも予防策になります。
また、メンタル不調による労災認定の背景には、上司によるパワハラが関係し
ていることも少なくないため、上司が部下の精神的なケアができるような知識
の習得を目的とした内容とすることも望ましいでしょう。

3.メンタルヘルス対応型休職・復職プログラムの作成
メンタル不調者が実際に発生した場合、対応方法が不明確では社員に不安を与
えかねず、労使紛争に発展する可能性もあります。
そこで、自社の業務内容や特性に合ったメンタル不調者の休職・復職プログラ
ムを作成することが望まれます。
メンタルヘルス対応型の休職制度構築のポイントは次のとおりです。

・従業員が受診している担当医のみの判断に依存せず、復職前に必ず会社指定
 の医師の診断を行い、正確な復職判定を行う。あくまでも最終決定は会社が
 行う。
・休職中も定期的な状況確認をし、本人の同意の下で家族との情報交換も行い、
 労働者の回復をサポートする。
・休職事由に「精神疾患による労務の不完全提供」を明記し、無理な就業を禁
 止する。
・休職制度の濫用を防ぐため、一定期間内の同一事由による再休職は休職期間
 を通算する。
・復職後も産業保健スタッフや医師の定期的な面談等を実施し、回復状況を確
 認する。

4.組織診断の実施
業務に起因するメンタル不調者がいる場合には、個人の問題というよりも、職
場環境に何らかの問題点があることが多いです。組織診断は、組織の問題点を
洗い出し、組織を改善・活性化するための有効なツールとなります。
組織診断には様々な種類があり、いろいろな機関が実施していますが、選択の
際には以下の点に注意しましょう。

・個人別結果が各人へフィードバックされる。
・社員のストレスと職場環境との因果関係が把握できる。
・グループや所属別の結果が分析できる。
・個人結果が保護される。

5.相談体制の整備
相談窓口を整備することも社員の心の健康増進につながります。ストレスやメ
ンタルヘルスに関する相談窓口はもちろん、セクハラ・パワハラ対応窓口やキ
ャリア相談窓口なども整備することにより、社員の安心感を向上させるととも
に労使トラブルのリスクを軽減することもできます。

前号から2回にわたり産業保健体制について解説しましたが、単に制度を構築
すればいいというわけではありません。自社に合った体制にカスタマイズする
とともに、それを効果的に運用することによってはじめて産業保健体制が機能
するようになります。
また、効果的な運用を行うためには、経営者や人事担当者が産業保健に関する
知識を深める努力も必要です。この分野に詳しいコンサルタントや産業医、社
会保険労務士などの支援を受ければ、より効率的な体制構築ができるでしょう。

記事に関する不明点、ご質問またその他労務関係でお困りのことがありました
ら、お気軽にご相談下さい。
                           
◆お問合せ先はこちら

tel:03-3224-8800

問い合わせフォーム: <https://www.actus.co.jp/form/contact.php>


━■ 編集後記 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アクタスでは、毎月1回社員向けに、産業医による健康に関するミニセミナー
を開催しています。
前回のテーマは「アルコールと健康」でしたが、飲酒好きな社員が多いことも
あり、かなり多くの聴講者が集まりました。専門医から話を聞くことで、健康
について考え直す良いきっかけになっていると思います。

メンタルヘルス研修の実施や休職・復職プログラムの作成など、会社の産業保
健体制構築について、何かお困りのことがございましたら、お気軽に私たちに
ご相談ください。

        社会保険労務士・人事労務コンサルタント 坂本 旭子   

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監修: アクタスマネジメントサービス株式会社/アクタス労務研究所

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