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第047号

2010年01月05日発行

知っ得!労務マガジン 第47号

■■■ 知っ得!労務マガジン 第47号 ■■■       2010年1月5日

━■1月号のコンテンツ  ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<今月の人事労務TOPIC>
 日本年金機構が本年1月1日よりスタート

<今月の人事労務Q&A>
 改正労基法を踏まえた労働時間管理の適正化について

<編集後記>
 担当者からのメッセージ

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━■ 今月の人事労務TOPIC ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本年1月1日より、社会保険庁が廃止され、新たに「日本年金機構」がスター
トしました。

現在ある社会保険事務所は、新たに「年金事務所」と名称が変わりますが、年
金相談などの窓口として引き続き利用できます。
年金事務所は、現在ある社会保険事務所をそのまま使用するので、所在地に変
更はありません。

年金の支払いや、厚生年金や国民年金の各種の届出も、これまでと同じです。 
年金証書や年金手帳なども、そのまま有効です。

ただし、日本年金機構の設立に伴い、これまで社会保険庁や社会保険事務所の
名義で出されていた各種の書類については、今後は厚生労働省または日本年金
機構の名義で案内されることになります。

日本年金機構の設立に伴って、被保険者等が直接何らかの手続きが発生するこ
とはありませんので、その点ご留意ください。


━■ 今月の人事労務Q&A ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


平成22年4月に労働基準法が改正されます。
既にご存知の方も多いと思いますが、主な改正内容は以下の4つになります。
1.特別条項付き36協定の必要要件の追加
2.1ヶ月60時間を超える時間外労働の割増賃金率アップ
3.代替休暇制度の導入
4.時間単位年休制度の導入

改正の背景には「少子高齢化の進行」「労働力人口の減少」「子育て世代の男
性を中心とした長時間労働の増加」などの問題が顕在化し、解決手段として、
「社会と生活の調和のとれた社会実現」「労働者の健康確保」「長時間労働の
抑制」が掲げられたためです。

今回は改正労基法の対策としても大変重要なポイントになる、労働時間管理に
ついてご紹介します。

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以下はある会社の人事担当者からの質問です。

◆人事担当者A◆

我が社は中小企業に該当し、来年4月の労基法改正で対応が義務しなければな
らない事項はなく、時間単位年休の導入なども考えておりません。我が社では
特に何らの対応もしなくてよろしいでしょうか。
 
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◆回答◆
労基法の改正を受けて、会社規模等により対応はさまざまですが、全ての会社
に共通して、「適正な労働時間管理」について再度見なおして頂くことをお勧
め致します。

労基法の改正内容を見ていただくと分かるとおり、全て「時間」に関わる内容
になっています。国は、長時間労働を抑制し、労働者の健康の確保と、社会と
生活の調和のとれた社会実現(ワークライフバランス)を目指しています。し
たがって、今後、労働基準監督署の調査が入った際は、企業の時間管理につい
て今まで以上に厳しく指摘がある可能性が考えられます。

具体的に以下が守られているかをご確認ください。

1.労働時間の適正把握
毎日の始業・終業時刻の確認については、タイムカード、IDカード、パソコ
ン入力などの電子媒体などを使って客観的に管理・記録している事業所が多く
なってきていますが、そのような電子媒体による管理ではなく、マイクロソフ
トエクセル等の表計算ファイルや紙媒体などで自己申告により確認を行ってい
る場合、厚生労働省より以下の措置を講じなければならないと通達がでていま
す。

(1)労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことについて、
   従業員に対し十分な説明を行うこと
(2)自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致してるか否か
      につき、必要に応じて実態調査をすること
(3)時間外労働の時間数に上限を設定するなどの措置を講じたり、慣習を作
   らないこと

このように、労働基準監督署による立ち入り調査などが行われる場合、電子媒
体による出退勤管理に比べ、時間管理が適正になされているか、より厳密に確
認されることになります。エクセルファイルや紙媒体により勤怠管理をしてい
る場合は、上記3つの点に注意して勤怠管理を行っていく必要があります。

詳しくはコチラをご覧下さい。
■労働時間の適正な把握のために使用者が構図べき措置に関する基準について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0104/h0406-6.html

2.残業代の適正計算
残業代を計算するに当たっては、計算基礎となる時間当たりの賃金(時間単価
)を求める必要がありますが、割増賃金の計算基礎から除外できる賃金は、労
基法上、以下の通り具体的に定められています。

(1)家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当
(2)臨時に支払われる賃金(賞与、コミッションなど)
(3)1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金(精皆勤手当など)

上記の名目以外で支払われる賃金は、全て割増賃金の計算基礎に含めなければ
なりません。
ただし、家族手当は、扶養家族の有無や数によって算定される手当であればよ
いので、生活手当や物価手当という名目であっても、実質的に家族手当と判断
されれば算定基礎から除外していいことになっています。
住宅手当については、住宅にかかる費用に応じて何割かを賄うような手当のこ
とをいい、家賃などに関わらず定額支給されているものは住宅手当とみなされ
ず、割増賃金の計算基礎から除外することができません。
労働基準監督署による立ち入り調査などが行われる場合、就業規則の賃金規程
や賃金台帳をもとに、実際の残業代に不足がないか電卓を叩いて確認されるこ
ともあります。

3.管理監督者の適正取り扱い
労基法41条の管理監督者に該当する場合には、労働時間、休憩・休日の規定
が適用されないため、深夜労働の割増賃金の支払いを除いて割増賃金を支払わ
なくてよいことになっています。
それだけに、労基法に規定する管理監督者に該当するか否かの判断が重要なり
ますが、具体的には、以下のような事項に照らして判断されます。

(1)経営者と一体の立場にあること。
(2)自己の勤務時間について自由裁量を有していること。
(3)給与面の処遇について優遇措置があること。

上記に基づき、管理監督者の取り扱いについて最低限クリアすべきポイントは
以下の通りです。

・採用、考課などの人事権が与えられる等、管理監督の権限をもっており、肩
  書きだけの「管理職」でないこと
・遅刻・早退による賃金カットを行っていないこと
・役職手当などで給与の  上乗せをし、非管理職の給与との逆転現象がおこっ
 ていないこと
・深夜勤務(22時から翌5時の時間帯の勤務)の割増賃金を適正に支払って
  いること

労働基準法上の管理監督者を拡大解釈して残業代を支給しない、いわゆる「名
ばかり管理職」の問題が取りざたされて以降、労働基準監督署は、厳しい判断
を下しているので、より厳格な判断が求められています。

4.健康管理の適正実施
事業所は長時間労働者に対する医師による面接指導を実施する必要があること
が労働安全衛生法に定められています。
具体的には以下(1)に該当する労働者に対しては面接指導の実施義務があり
、(2)と(3)に該当する労働者に対しても、面接指導等の措置を講ずる努
力義務があります。

(1)1ヶ月あたり100時間を超える時間外・休日労働を行い、疲労の蓄積
   が認められる労働者(申出により実施)
(2)1ヶ月あたり80時間を超える時間外・休日労働を行い、疲労の蓄積が
   認められる、または健康上の不安を有している労働者(申出により実施)
(3)事業所で定める基準に該当する労働者(事業所の規定により実施)

なお、(3)の「基準」については具体的な定めはありませんが、時間外・休
日労働が1ヶ月あたり45時間を超えて長くなるほど脳・心臓疾患の発症との
関連性が強まることから、医師による面接指導を実施する基準を「1ヶ月あた
り45時間を超える時間外・休日労働を行う労働者」としていただくとよいで
しょう。
医師による面接指導の結果を受け、必要な場合は、「労働時間の短縮」「深夜
業の回数の減少」「働く場所の変更」「作業の転換」などの措置を行う必要が
あります。

以上、労基法改正の目的は、あくまで労働者の健康確保と長時間労働の抑制に
あります。改正内容だけに目を向けるのではなく、より大きな視野で改正目的
に沿った対応を行うことが重要です。今回ご紹介した内容は全て法定の内容と
なりますので、一つでも守られていない項目がある場合には、出来るだけ早い
段階でのご対応をお願い致します。

今回ご紹介した内容の他にも企業が守るべき法的事項はさまざまです。自社の
労務管理体制に不安を感じている等お困りのことがありましたら、お気軽にご
相談下さい。
                           
◆お問合せ先はこちら

tel:03-3224-8800

問い合わせフォーム: <https://www.actus.co.jp/form/contact.php>


━■ 編集後記 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

明けましておめでとうございます。
新年を迎え、皆様新たに目標を立て、新鮮な気持ちで業務に取り組んでいらっ
しゃることと思います。

毎年アクタスでは年明けに書初め大会が実施されます。皆真剣に悩みながら、
その年の目標を書き留めています。平成21年に私が書いた文字は「飛躍」。
振り返ってみると1年前に比べて色々な面で成長出来たように思います。とい
うことで、目標は達成できました!平成22年の目標はまだ決まっていないの
で、また次回この場を借りてご報告できればと思います。

平成22年もどうぞアクタスを宜しくお願い致します。

人事労務のことについて、何かお困りのことがございましたら、お気軽に私た
ちにご相談ください。

                 人事労務コンサルタント 遠藤 香緒利   

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監修: アクタスマネジメントサービス株式会社/アクタス労務研究所

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