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第299号

2010年03月25日発行

法報タイムズ 第299号

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 ■2010.3.25/vol.299            発行総数:5,359部

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【目 次】

■今月の人事労務相談室
■4月の歴史事件簿

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■今月の人事労務相談室
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復職を希望するうつ病社員に療養を継続させることはできるか
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【相談内容】

 うつ病の社員Aは、9月から1か月間の傷病休暇(無給)を取り、10月1
日から復帰する予定でした。しかし、10月1日を目前にして、まだ体調不良
が続いており、会社としては出勤は困難ではないかと考えています。そこで、
10月も傷病休暇を取り十分療養してもらい11月から復帰することを勧めた
のですが、本人は10月から復帰することを強く希望しています。

 このような状況において、会社は10月も傷病休暇を取得するように社員に
命令できるでしょうか。このような社員を復職させるときの注意点や、その対
応方法について教えてください。

 また、この社員が職場復帰した場合、フル出勤させず、まずは時短勤務をさ
せている会社が多いようなので、弊社もそのようにしようと考えていますが、
なにか注意すべき点はありますか。

 なお、弊社の就業規則では、まず4か月の傷病休暇、その後は引き続き12
か月を限度とした休職期間を設けています。

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【社労士のアドバイス】

 傷病休暇中の社員に復職させるかどうか、最終判断する権利は会社にありま
す。復職するには「治癒」していることが必要ですが、こころの病に関しては
治癒しているかどうかの判断が特に難しいため、医師の判断を仰ぐことが重要
です。

<一般的な復職可否の判断について>

1.医師からの診断書の提出を求め、復職可能であるかどうかを確認する。

2.1の診断書で判断しかねる場合は、人事担当者など会社を代表する者が医
    師へ面談を求める。
  医師は、復職後の社員の業務内容について十分理解した上で復職可否を診
  断しているとは限らない。
  そのため、社員とともに医師を訪ね、復帰後の業務内容を十分に説明し、
  その業務を通常程度に遂行できるまで回復しているかどうか、将来的に再
  発することなく継続的な労務提供ができるかどうか確認することがポイン
  トとなる。
  面談内容はメモを取り、記録として残すことが望ましい。

3.医師との面談後、治癒していない社員への対応は会社の判断による。
  休職期間を延長することもあるし、就業規則に基づき退職や解雇を行う会
    社もある。

<今回のケースにおける対応について>

1. 会社の就業規則に従い、4か月間は傷病休暇を取得してもらう

2. 傷病休暇から休職へ切り替えの際にもう一度診断書の提出をしてもらい、
    復職可否の判断をする。

 時間短縮のリハビリ出勤を制度として導入している会社もありますが、会社
には不完全な労務提供を受ける義務はありません。従って、労働契約で約束し
た労務提供ができないリハビリ出勤を認める義務は会社にはありません。

 今回のケースでは、まだ体調不良が続いているとのことですので、安易な復
職を認めず、十分な療養期間を設けるのがよいでしょう。また、医師および本
人と相談し、毎日の起床時刻や簡単な活動記録を取るようにするなど、今後の
復職可否の判断に有用な情報を蓄積しはじめることも重要です。

 仮にリハビリ出勤を認める場合は、安全配慮義務が発生しますので、労働時
間の短縮や軽作業への配置転換などをする必要があります。その代わり、賃金
も労働時間に応じて是正する(下げる)ことも可能です。

 また、傷病手当金について注意が必要です。傷病手当金は欠勤日について支
給されるものですので、たとえ短時間のリハビリ出勤であったとしても出勤し
た日については支給されません。事前に社員へ説明するのがよいでしょう。


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■4月の歴史事件簿
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         関ヶ原前夜 ~真田親子の決断~
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 下野の国犬伏の陣所では、真田昌幸、信幸、幸村の親子3人が密談を交わし
ていた。東軍に与するか、西軍に与するか。
慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦い。豊臣秀吉亡き後、徳川家康と石田三
成が天下覇権を争った戦いとして、歴史上あまりにも有名な合戦である。

 真田と言えば、武勇でその名を轟かせた幸村が有名。そのほか、猿飛佐助や
霧隠才蔵など忍者伝説でも知られている。真田のルーツをたどっていくと、も
ともと武田信玄の時より武田の家臣であったことがわかる。しかし、信玄亡き
後、武田を相続した勝頼のときに織田信長に攻められ、武田は滅亡する。   
これにより、真田は一時、信長の支配下にあったこともある。

 武田が滅びて間もなく、歴史は急変する。信長が家臣明智光秀の謀反により、
本能寺で討たれるのである。その後、信長の遺志を継いだ秀吉が天下を手中に
治め、この時より日本の勢力地図は、事実上、関西の豊臣と関東の徳川の二大
勢力が支配する構図となった。小豪族に過ぎない上州上田の真田は、生き残り
をかけ、「ある時は豊臣、ある時は徳川」というように両勢力の間を巧みに渡
り歩きながら乱世を生きながらえていく。

 そして、慶長3年(1598年)、「秀吉、没する」。この一人の偉大な人
間の死が、泰平の世から戦乱の世へ日本を逆戻りさせることになる。関ヶ原の
戦いである。東軍の家康と西軍の三成。「いったい、どちらに与するか。」好
むと好まざるとを問わず、全国に散らばる武将はその時、決断を迫られ、真田
もその渦中にあった。

 犬伏の陣所で、まず、父昌幸は、真田は三成の西軍に与することを息子2人
へ主張。真田の領地は上州上田(現在の長野県)にあり、関東を支配している
東軍家康が勝っても真田の領地拡大は望めない。しかし、西軍三成が勝てば家
康が支配している関東近郊への領地拡大が望める。昌幸は東軍についても真田
にとってメリットなしとの判断で、西軍に与すべしと主張している。

 この時、常識で考えれば、子も父の決断に従い、西軍に与するところ。しか
し、真田親子が選んだ道は常軌を逸していた。次男幸村は父に従い西軍へ、長
男信幸は東軍へ与するのである。その心は「真田の家名を残す」という真田親
子の用意周到な戦略にあった。

 戦国乱世の時代は、縁組によって親族関係を作り、家を敵国から守るのが常。
真田家も例外ではなかった。次男幸村の妻は西軍の雄、大谷吉継の娘。吉継は
かつて秀吉の直臣であった。この政略結婚は秀吉在世時に行われ、この時点で
幸村は豊臣派に属したことを意味している。一方、長男信幸は、同じく家康の
養女との政略結婚によって徳川派に属している。ちなみに、この時、家康は直
臣本田忠勝の娘をわざわざ自分の養女にしてまで信幸に嫁がせている。つまり、
真田はこの両縁組時点で既に豊臣派と徳川派に表面上、分裂していたことにな
る。

 西軍へ与することを主張する父に対し、長男信幸は反論する。世の趨勢から
して徳川こそ天下万民を泰平の世へ導く唯一の者と仰ぎ、真田は親子揃って東
軍へ与すべしと父昌幸へ翻意を促す。しかし、昌幸は関ヶ原の戦いにおいて、
敢えて親子敵味方に分かれることを決意する。豊臣に属している次男幸村は自
分と共に西軍へ、徳川に属している長男信幸は東軍へ。人が何と言おうと、真
田の家名を絶やさずに済む道はもはや他にあらん。昌幸は苦渋の末、敢えて親
子敵味方に別れることを息子達へ説得するのである。

 戦国乱世の時代は下剋上が常の世。親子兄弟が敵味方に分かれ、骨肉の争い
をするのは決して珍しくはなかった。しかし、真田親子は決して個の利益を謀
るのではなく、真田家の存続という、云わば組織の利益を重視した。

 関ヶ原の戦いは、東軍家康の大勝利に終わった。敗軍たる西軍へ与した昌幸、
幸村親子は当時の常識で考えれば、斬首または切腹。しかし、信幸と信幸の義
父本田忠勝の家康への懇願により、命だけは何とか救われた。領地没収のうえ、
高野山九度山へ配流されたのである。結局、真田の家名を残すだけでなく、親
子の命も救われ、あの時(関ヶ原前夜)に描いた真田親子の戦略はまんまと実
現されたのである。

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