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第541号

2016年12月15日発行

法報タイムズ 第541号

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 ■2016.12.15/vol.541               発行総数: 4,927 部

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非居住者へ支払う退職金の税額計算のポイントと退職所得の選択課税について
解説いたします。                     (鎌本 紀子)

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【目 次】

◆給与・社会保険相談Q&A◆
 非居住者へ支払う退職金の税額計算のポイントと退職所得の選択課税

◆メルマガ衛生委員会◆
 健康診断の受診率を上げよう

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◆ 給与・社会保険相談Q&A◆
非居住者へ支払う退職金の税額計算のポイントと退職所得の選択課税
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【質問】
海外赴任中の非居住者である従業員へ退職金を支払います。税額計算で注意す
るポイントを教えてください。
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【回答】

非居住者へ退職金を支払う場合、日本での勤務期間に対応する「国内源泉所得」
に対して所得税を計算します。
従業員の場合、退職金のうち、日本で勤務していた期間に対応する退職金に
課税されますので、国外勤務期間に対応する退職金には課税されません。
ただし、日本の法人の役員への支払いについては、勤務地に係らず、全額が
「国内源泉所得」として取り扱われ、退職金全額に課税されます。

では、従業員の場合、どのように計算するか確認してみましょう。
(例)入社日:2014年1月1日 退社日:2016年3月31日
   海外赴任開始日:2016年1月1日 退職金額:230万円

 国内勤務期間:2014年1月1日~2015年12月31日 計730日
 国外勤務期間:2016年1月1日~2016年3月31日  計91日

国内勤務期間に対する退職金(国内源泉所得)は、国内勤務期間に応じ、
退職金230万円×730日÷821日=2,045,067円(A)。
所得税額は、(A)×20.42%=417,602円となります。

もし、居住者であれば、勤続年数に応じて退職所得控除があり、さらに
その退職所得控除後の金額の1/2にのみ課税されます。
上記の例で、居住者であれば、退職所得はゼロ(230万-退職所得控除額
240万)×1/2<0)となりますので、所得税はかかりません。

非居住者は、退職所得控除等の優遇措置がありませんので、税負担が高額に
なることが多くなります。
このような不公平をなくすために、居住者であった場合の税額計算と比較し、
居住者であった場合の税額のほうが低い場合には、居住者と同様の税額計算を
行うことが認められています(「退職所得の選択課税」といいます)。
この適用を受けるには、従業員自身が、所得税の確定申告書を提出し、税額の
還付を受けることになります。
計算に当たっては、非居住者が課税される国内源泉所得分のみに対する税額
ではなく、退職金総額に対する税額を計算する必要がありますので注意が
必要です。

上記の例では、居住者として計算すると退職金にかかる所得税は0となります
ので、確定申告することで、退職金から源泉徴収された417,602円は
全額還付を受けることができます。

従って、非居住者へ退職金を支払う場合には、源泉徴収税額の計算方法に留意
するとともに、退職される従業員へは、退職所得の選択課税ができる旨、説明
しておくと良いでしょう。

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◆メルマガ衛生委員会◆
   定期健康診断の受診率を上げよう
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労働安全衛生法により、事業者は労働者に対し1年以内ごとに1回、定期健康
診断を実施しなければならず、労働者もこれを受診する義務があります。これ
を毎年しっかり行っている会社も多いのですが、行っていない会社も意外と
多いようです。そもそも会社が社員に定期健康診断に関する案内をしていない
場合もありますが、会社からの受診勧奨にもかかわらず社員が受診しないケー
スも見受けられます。定期健康診断の実施は会社の義務であると同時に、社員
は受診する義務があり、自身の健康状態を確認し、異常を早く発見するための
重要な手段でもあります。それにも拘わらず自身で受診をしないのにはそれぞ
れ何らかの理由があるのだと思いますが、やはり放置するわけにはいきません。
社員の健康状態に応じ必要な措置を講ずることは会社の義務とされていますし、
定期健康診断の案内をしても社員が受診しないから仕方ないと放置して何かあ
った場合に責任を問われる可能性もあります。

また、定期健康診断の受診の結果、再検査あるいは精密検査の指示を受ける方
も多くいます。再検査・精密検査の実施は会社の義務ではないのですが、これ
らの指示は、何か異常の所見があるから受けたわけで、放置して受診しない場
合には、重大な結果を招く可能性は十分あると考えたほうがよいと思います。

このように重要な定期健康診断、再検査・精密検査の実施率を上げるには、
まず会社が繰り返し受診を促すことが必要ですが、就業規則で強く求めるとい
う方法もあります。会社によっては、受診しない場合は懲戒処分もあり得ると
いうような強い表現で就業規則に規定する場合もあります。

さらに、衛生委員会が受診を促すような働きかけをすることも効果があると思
われます。会社とは別に、衛生委員会として、そして各衛生委員からも定期
健康診断、再検診・精密検査の重要性を直接社員に伝えたり、社員の意思とは
別に受診を妨げるような原因の有無などを社員から聴取して必要に応じて会社
に改善を申し入れるといったことも考えられます。

制度としての健康診断を有効に活用して、社員の健康保持に役立てるよう衛生
委員会も活用してはどうでしょうか。

【ご参考】
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/h27.html
http://www.bus-kyo.or.jp/cms/wp-content/uploads/2016/04/0e15932dfe93be251317742836261524.pdf

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