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休養中で完治していないうつ病者からの復職申し出を拒否できますか?

うつ病を患っている社員が1か月間の傷病休暇(無給)を取得し、翌月から復帰する予定でした。しかし、復帰を目前にして、まだ体調不良が続いており、会社としては出勤は困難と考えています。そこで、翌月も傷病休暇を取って十分に療養してもらい、翌々月から復帰することを勧めたのですが、本人は予定通り翌月から復帰することを強く希望しています。
このような状況で、会社は翌月も傷病休暇を取得するように社員へ命令できるでしょうか?このような病気を復職させるときの注意点や、その対応方法について教えてください。また、社員が職場復帰した場合、フル出勤させず、まずは時短勤務をさせている会社が多いようなので、当社もそのようにしようと考えていますが、何か注意すべき点などはありますか?
なお、当社の就業規則では、まず4か月の傷病休暇、その後は引き続き12か月を限度とした休職期間を設けています。



傷病休暇中の社員を復職させるかどうか、最終判断する権利は会社にあります。復職するためには「治癒」していることが必要ですが、こころの病に関しては治癒しているかどうかの判断が特に難しいため、医師の判断を仰ぐことが重要です。
 

【一般的な復職可否の判断】
1.医師からの診断書の提出を求め、復職可能であるかどうか確認します。
 

2.1の診断書で判断しかねる場合は、人事担当者など会社を代表する者が医師へ面談を求めます。
医師は、復職後の社員の業務内容について十分理解した上で復職可否を診断しているとは限りません。そのため、社員とともに医師を訪ね、復帰後の業務内容を十分に説明し、その業務を通常程度に遂行できるまで回復しているかどうか、将来的に再発することなく継続的な労務提供ができるかどうか確認することがポイントとなります。面談内容はメモを取り、記録として残すことが望ましいでしょう。
 

3.医師との面談後、治癒していない方への対応は会社ごとの判断になります。休職期間を延長することもありますし、就業規則に基づき退職や解雇を行う会社もあります。
 

【本件における対応方法】
1.会社の就業規則に従い、4か月間は傷病休暇を取得してもらいます
2.傷病休暇から休職へ切り替えの際にもう一度診断書の提出をしてもらい、復職可否の判断をします。
 

時間短縮のリハビリ出勤を制度として導入している会社もありますが、会社には不完全な労務提供を受ける義務はありません。したがって、労働契約で約束した労務提供ができないリハビリ出勤を認める義務は会社にはありません。
 

本件では、まだ体調不良が続いているとのことですので、安易な復職を認めず、十分な療養期間を設けるのがよいでしょう。また、医師および本人と相談し、毎日の起床時刻や簡単な活動記録を取るようにするなど、今後の復職可否の判断に有用な情報を蓄積しはじめることも重要です。仮にリハビリ出勤を認める場合は、安全配慮義務が発生しますので、労働時間の短縮や軽作業への配置転換などをする必要があります。その代わり、賃金も労働時間に応じて是正する(下げる)ことも可能です。
 

また、傷病手当金について注意が必要です。傷病手当金は欠勤日について支給されるものですので、たとえ短時間のリハビリ出勤であったとしても出勤した日については支給されません。事前に社員へ説明するのがよいでしょう。

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2010年05月14日公開

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