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メンタルヘルス疾患が疑われる社員に対して、会社が医療機関への受診命令を出すことはできますか?

体調不良のために欠勤や遅刻・早退を繰り返している社員がいます。メンタルヘルス疾患が原因なのではないかと疑われるため、医療機関で受診させたいのですが、会社として受診命令を出すことはできますか?



メンタルヘルス疾患により重大な事故につながる恐れがある場合は、本人の同意の下で専門医への受診を勧める必要があります。本人が受診を拒否した場合、業務命令として専門医への受診を命じることになりますが、そのためには、受診命令に関する根拠が就業規則に明記されている必要があります。

【健康管理に求められる姿勢】
会社は、労働安全衛生法により1年以内に1回以上、定期的に社員の健康診断を実施することが義務付けられています。この実施を怠ると、健康配慮義務違反を問われることになります。

また、定期健康診断で検診することが義務付けられている項目を、「法定検診項目」といいます。

法定検診項目は、健康管理をする上で最低限必要とされる項目ですので、会社は「法定検診項目だけ健康診断を実施していても、健康配慮義務を尽くしたことにはならない」とされています。(判例:住友林業事件・名古屋地裁昭和56年9月30日判決)

したがって、会社は、定期健康診断の実施に止まらず、社員の地位・職務内容・年齢・従前の健康状態などの人事情報から、専門医に受診させるべきかを産業医の意見に基づいて都度判断し、必要な場合には受診を勧めるなど、積極的に社員の健康管理に関与していかなければなりません。

【会社が取るべき対応】
今回のようなケースでは、会社はメンタルヘルス疾患の有無について専門医に受診させるべきか、産業医の判断を仰いだ上で、本人に受診を勧めるのが望ましいでしょう。

しかし、メンタルヘルスのような法定検診項目以外の項目について、社員が当然に受診義務を負うわけではありません。また、健康情報はセンシティブなプライバシー情報でもありますので、受診させる場合は、本人の同意を得なければならないことに注意してください。

受診を勧めても、本人が拒否すればそれ以上の強制はできません。そのような場合でもなお受診の必要が認められる場合、業務命令として専門医に受診するよう命じるしかありません。そのためには、就業規則に「健康管理については会社の健康管理従事者の指示に従うこと」などと定めておく必要があります。

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2010年12月20日公開

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