人事労務相談Q&A こんな場合はどうすればいいの?

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行方不明の社員に代わって、配偶者から提出された退職届は有効ですか?また、この配偶者に退職金を支払っても問題ありませんか?

ある社員が突然出社しなくなり、音信不通となりました。この社員の代わりに、配偶者が退職届を提出してきましたが、この退職届は有効でしょうか?また、この配偶者へ退職金を支払っても問題ないでしょうか?



配偶者から提出された退職届は無効であり、退職金も配偶者へ直接支払うことはできません。

【配偶者から提出された退職届の取り扱い】
退職届は、社員(以下、本人)から会社に労働契約の解約を申し込む、書面による意思表示です。本人の意思なしで本人以外の者が作成、提出した場合は無効とされます。
実務上は、就業規則の「一定期間、連絡が取れない場合は、退職の意思表示があったものとみなす」といった自然退職条項に従って、一定期間経過後に退職として処理するのが現実的な対応となるでしょう。

【配偶者への退職金の支払い】
退職金の請求権は本人が持つため、請求権を持たない配偶者に対して、直接支払うことはできません。
しかし退職金は、配偶者を含めた家族の老後の大切な糧でもありますので、何らかの形で配偶者に対して受領させたい場合には、次の2つの方法が考えられます。

1.誓約書付きの仮払い
後日、本人の生存が確認され、疑義が生じたときには、家族の責任において処理する旨の誓約書を取得する方法があります。ただし、法律的に認められた手法ではないため、当人が配偶者であることをきちんと証明させた上で、十分に説明を行う必要があります。

2.受領不能による弁済供託
震災や行方不明で、本人が退職金を受領できないことが明らかな場合については、法務局の供託所に対して、「弁済供託」の申請を行うことができます。これは、法律的に認められた手法で、会社としては退職金を支払ったと同じ状態となり、それ以降は遅延利息も含め、支払いの義務を免れることができます。
この場合、配偶者が実際に供託金を受け取るためには、失踪宣告(法律上、本人の死亡を確定させ、相続人を決める手続き)を経て本人の真正な相続人となる必要があるため、1つ目の手法に比べて時間がかかります。

このように、退職金については基本的に本人がその請求権を持つため、やむを得ず本人以外の者へ支払う場合には、適切なプロセスを経るよう注意する必要があります。

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2012年01月20日公開

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