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出向元より受け入れている出向社員を他社へ再出向させることはできますか?

出向元から受け入れている出向社員を、業務の都合上、出張により客先で勤務させています。このたび、この顧客より当該社員を出向社員として受け入れたい旨の依頼がありました。出向先である当社が、当該社員をさらに他社に出向させることはできるのでしょうか。



出向中の社員をさらに他社に出向させることを、一般に「再出向」といいます。この再出向については、直接的に再出向を規制する法律の定めはありませんが、以下の事由により社会通念上、認められないものと考えられています。

【労働契約上の問題】
出向における労働契約は、出向元と出向社員間、出向先と出向社員間の両方で成立することになりますが、契約上の権利義務が重複しているわけではありません。例えば、労働時間・休憩・休日など就労に関することは出向先との間に、それ以外の権利義務については出向元との間にといったように、契約上の権利義務が出向元と出向先と分かれて存在していると解されています。出向命令のように、社員の労働契約上の地位変更を命ずる権利義務は、出向元との間のみに存在します。したがって、そもそも出向先は再出向を命じることはできません。

【出向目的の妥当性】
出向命令は、たとえ就業規則などにその契約上の根拠規定があったとしても、事業主が自由にその権利を行使できるものではありません。出向は、以下の目的により行われるべきもので、それ以外の目的にもとづく出向は、実質的に職業安定法第44条で禁止される「労働者供給事業」と判断される可能性が高くなります。

1.離職させずに関係会社において雇用機会を確保するため
2.経営指導、技術指導を実施するため
3.職業能力開発の一環として行うため
4.企業グループ内の人事交流の一環として行うため

以上より、再出向を命ずる業務上の必要性がある場合には、一旦出向元に復帰させて、出向元より再出向先への出向を命ずる必要があります。

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2012年03月20日公開

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