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入社前に行う研修にも、入社後の初任給と同水準の賃金を支払わなければなりませんか?

当社では、採用内定者に対して、入社後に必要とされる業務知識を補うため、入社前研修を実施しようと考えています。この研修期間については、初任給と同水準の賃金を支払わなければならないのでしょうか?仮に支払うとした場合に、初任給と同水準の額ではなく、低額の賃金を支払うことでも問題ないでしょうか?



入社前研修であっても、参加が実質的に強制されているものであれば、採用内定者は、使用者の指揮命令に従って労務を提供したのと同じ扱いになるため、研修を受けた時間については賃金を支払う必要があります。賃金を支払う場合には、特段の契約がない限り、最低賃金以上の額を支払えば足ります。

【入社前研修の労働時間性】
入社前研修については、その研修が労働時間に該当するかが問題となります。労働時間とは「使用者の指揮命令下にある」ことが重要な要素とされており、これに加えて使用者からの参加の義務づけ、不参加の場合の不利益取り扱い、業務との関連性などによって判断されます。
入社前研修は、直接的には労務の提供はなされておらず、指揮命令が及んでいないように見えます。しかし、研修内容が、社員として必要な知識や技能を修得させるために行われるものであり、かつ、参加が実質的に強制されている場合には、その参加者は、使用者の指揮命令下で労務を提供していたことになります。この場合には、入社前であっても労働時間に該当することになり、会社は賃金を支払う義務があります。

【入社前研修の労働対価としての賃金】
初任給は、入社した社員に対して支払うことを約束した額であって、採用内定者対して支払う場合の基準にはなりません。そのため、入社時研修が労働時間に該当する場合には、初任給とは異なる低額の手当であっても差し支えなく、最低賃金以上を支払えば足ります。ただし、入社前研修に対していくら支払うといった個別の取り決めがある場合には、それに基づき支払う必要があります。

なお、労働時間として位置づけられる場合には、入社前研修が1日8時間1週40時間の法定労働時間を超えた場合には、割増賃金(25%)を付加して支払う必要がありますので、ご留意ください。

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2013年10月18日公開

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