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書面での厳重注意は懲戒処分に該当しますか?

当社の営業社員がお客様に暴言を吐いたことが発覚したため、就業規則に定める懲戒処分に至らないまでも、本人に反省を促す意味で厳重注意を書面で与えたいと考えています。このような就業規則に規定されていない厳重注意は、懲戒とは別に捉えて会社が任意で行うことができるのでしょうか。



厳重注意によって実質的に法的利益が侵害されるものであれば、懲戒の一種に該当すると考えられ、このような処分を下すには就業規則に基づく必要があります。

厳重注意が懲戒に該当するかについては、判例において以下のように示されています。
「厳重注意は、就業規則等に規定がなく、それ自体としては直接的な法律効果を生じさせるものではないが、実際上、懲戒処分や訓告に至らない更に軽易な措置として、将来を戒めるものとして発令されているものであり(中略)、人事管理台帳及び社員管理台帳に記載されるものであるというのである。そうすると、本件厳重注意は、企業秩序の維持、回復を目的とする指導管理上の措置と考えられるが、一種の制裁的行為であって、これを受けた職場における信用評価を低下させ、名誉感情を害するものとして、その者の法的利益を侵害する性質の行為であると解される」(最高裁平成8年3月28日第一小法廷判決)

このことから、懲戒とは経済的不利益だけでなく、信用や名誉といった精神的不利益を伴うものであって、厳重注意の履歴が人事記録として残ることで、将来において不利益に取り扱われる可能性が高い場合には、厳重注意も懲戒に該当するものと解されます。

また、懲戒処分は、その事由と手段を就業規則において明記しなければ、法的拘束力を持たないとされますので、厳重注意が懲戒の一種とされる場合には、就業規則に規定がない懲戒処分として無効とされます。

したがって、厳重指導を行う場合には、懲戒処分とは一線を画す趣旨で本人に対する不利益の可能性を極力排除し、純粋な指導・教育の位置付けで行うのが適当かと思われます。

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2015年02月20日公開

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